「どうしてあがらないんだろう?」
たまにYahoo!ファイナンスの個別株の掲示板を見るのですが、こういったツブヤキをよく見かけます。
あぁいう掲示板に書き込むのはいいのですが、自分の主観で購入した株は愛着があるのか株価が下がると、未練タラタラにこういったことを書かれる方が多いです。
過去最高益を更新している・赤字会社が黒字転換した・画期的なサービス、商品を開発したetc・・・
なのに何故?と言いたいのでしょうが、株価を決めるのはあなたではありません。
結論的には、買いたい人と売りたい人が合意した値段が全てです。
頭では分かっているのでしょうが、言わずにはいられないのでしょう。まだ個別株投資を始めたばかりの方に多いのですが、この他にも誤りがちな考えが多々見受けられますのでまとめて解説します。
投資初心者の誤りがちな認識
弱小株主は眼中にありません
日本の株式は、機関投資家と呼ばれる大量の資金を保有している大口投資家が決定しています。
国内・海外と色々な機関投資家がいますが、国内のトップの機関投資家はGRIFと呼ばれている年金積立金管理運用独立行政法人です。
新聞やニュースで一度は聞いたことはあるかもしれませんが、文字の通り我々の年金積立金を管理運用しています。
海外勢では、ハゲタカという言葉が一時流行になったヘッジファンドや海外年金運用行政法人。リーマンショックという言葉にもなったリーマン・ブラザーズのような投資銀行グループも機関投資家でした。
こういった大口投資家が株式投資の価格を決定しています。
期間が短ければ短いほど、機関投資家の意向に沿うような値動きになりがちです。
株式投資というのは、資本至上主義の権化なので、お金が多ければ多いほど価格決定権を持ちやすくなります。
そのため、少額資本しかもっていない弱小個人投資家は、価格決定権など持ちようがありません。
こういう面では、個人投資家が出来ることは保有し続けることしかありません。
願望ではあがりません
◯◯なのに何故あがってくれないんだ!?
こういう書き込みが、Yahoo!ファイナンス掲示板では大量に見受けられます。
冒頭でも書いた通り、買いたい人と売りたい人が合意した値段が全てなのですが、短期はほぼ機関投資家の意向次第になります。
大量の資金にモノを言わせて、空売り(先に売る行為)を仕掛けて、株価を不当に安くしたりするのは機関投資家のお手の物です。
最近では、優秀なアルゴリズムを搭載したパソコンが自動で自分に有利な取引を1分間に何万回も繰り返せたりするので、ますます個人では太刀打ちできない領域になっています。
何故あがってくれないんだ?は、保有期間半年以内では使わないようにしましょう。
株価は遅れてついてくることもしばしば
機関投資家の意図もあるのですが、株価は事実から遅れて暴騰することもしばしばあります。
普通は、株価は事実を先取りして動きやすいのですが、どうしても騰がって欲しくない大口がいれば、スーパーインパクト材料なら別ですが、騰がるよりも下がるといったこともあり得ます。
ここでその投資家の忍耐が試されるのですが、含み損は含み益よりも数倍痛く感じるので、個人投資家は損失確定し投げてしまいがちです。
業績事実よりも、株価を見て一喜一憂してしまうからです。
株価はあまり見ないようにしましょう。
参考20~30代の若者の投資における最大の成果は運用益ではない
値ごろ感だけで売買してはいけません
買値から30%落ちたから売り。買値から20%騰がったから売り。
こういった規律を設けて、投資を行うのもいいですが、長期的に投資するならもう少し実績を見ながら柔軟に売買する方がいいです。
買値から20%騰がって売って、その後200%騰がるかもしれません。
キチンと自分の中に裏付けしたデータがあればいいですが、値頃感だけでは売買しないようにしましょう。
有名な人が推奨しているからで買うのは危険
初心者の頃だけではないのですが、有名な投資家に便乗して利益をあげる手法を『提灯をつける』と言います。
別に提灯をつけるのは問題ないのですが、こればっかりやっていると抜け出せなくなります。
儲かっている内はいいですが、損をしだしたらその有名投資家のせいだと責任転嫁までする方もいます。
投資はどこまでいっても自己責任です。不正手段でアカウント盗まれたとかなら別ですが、自分で勉強していき痛い目にあった方が納得がいきます。
まとめ
投資初心者の誤りがちな認識をあげてみました。
色々な考えや投資方法がありますが、自分の周りを見ても現実(データ)を見て納得の上で投資した方が高い実績をあげている方が多いように感じます。
短期的には機関投資家や市場の状況に左右されがちな株価ですが、長期的(3年以上)には実績値に沿った株価に収斂していきます。
あせらず市場に勉強させてもらいましょう。
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