楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)の投資先でもあるVT
バンガード社が組成しているETF〈上場投資信託〉ですが、これ1本で全世界の主だった株式に投資できるというスグレモノ商品です。
※上場投資信託=上場している投資信託 市場で随時売買可能
投資信託である楽天VTは、eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)に手数料の面で見劣りしますが、投資対象として十分範囲内です。
日本国内で少額投資ならVTやMSCI連動型ETFを買うよりも、再投資や外国税額控除の手間を考えると有利な点が多いです。
※投資信託=非上場の投資信託 証券会社や銀行などの金融機関で購入
楽天VTやeMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)を個別で説明してもいいのですが、楽天VTに投資しているので、投資先のVTという商品について説明します。
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VTの投資方針
投資アプローチ
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、英FTSE社が提供する外国株式インデックスです。
先進国・新興国約50カ国の市場時価総額約90-95%ををカバーする=全世界市場を買うという『言う易く行うは難し』なことをできる指数です。
投資銘柄は、米国を含む先進国および新興国約47ヵ国の大型・中型・小型株約8,000銘柄というとほうもない数です。
インデックス投資って世紀の発明だと思うのですが、VT1本買うだけで全世界株式市場に連動したモノを買えるってスゴイですよね。
経費率も驚異の0.08%!
この規模で0.1%切るって、ITの進化とバンガード社のコスト削減努力がかいまみえます。
トータル・リターン
同社のVTI(VTの米国市場版ETF)のリターンと比較すると見劣りしますが、それでも設定来(2008年6月)6%のリターンが出ています。
2010年代が株式市場にとって、リーマン・ショック後の好調が持続していたのを差し引いても高い数値です。
保有上位10銘柄・組入上位国構成
上位10銘柄ですが、米国市場ばかりですね。
6位アリババ・7位テンセント・9位台湾セミコンダクターは、中国・台湾勢ですが、残り7社は米国市場といのが、米国市場偏重がみて取れます。
米国が57.50%と半分を超えます。次点で日本・中国と続きます。
2020年現在、米国市場特にGAFAが絶好調なので仕方ない面はありますが、全世界=半分米国市場となっているのが現状です。
セクター別構成比率
テクノロジー系が2割超えています。
GAFA〈Alphabet・Apple・Facebook・Amazon・Microsoft〉の影響上仕方ないのですが、テクノロジー特にクラウド系の影響大となっています。
次点で一般消費財・資本財と続きますが、ヘルスケアが5位というのが少し驚きです。
イメージ的に3位くらいかと思うのですが、全世界市場という米国市場とベースが違うからでしょうか。
分配履歴
8,000社以上に分散投資している状態ですので、無配なんてことは起こりえません。
配当の上下動はありますが、配当は毎期でるようなETFです。
VTの雑感
対象が8,000社以上全世界対象なので、倒産・無配等個別リスクとは皆無です。
株式という枠組みでは、究極のリスク分散商品と言えるかもしれません。
保有上位10銘柄・組入上位国構成を見ると分かる通り、投資対象が半分米国市場という商品です。
100%米国市場対象商品であるVTIと比較すると、米国市場1強であった2010年代は見劣りする結果となっています。
米国市場が調整段階に入り、新興国市場が盛り上がってくれば、ある程度ばんかいできると思います。ただそうなると、組入比率50%超の米国市場が足を引っ張るという状況が考えられます。
許容できるなら良い商品ですし、許容できないようであれば、米国市場抜きの指数連動型ETF・投資信託を購入する必要性があるでしょう。
投資対象として有りか無しか問われれば、全然有りとい言える商品です。
冒頭でも書きましたが、再投資や外国税額控除の手間を考えるとVTを投資対象としている楽天VTも有力な選択肢の1つです。
手数料が高い!となると、eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)となりますが、追随して安くなっていくと思われます。この辺の商品をiDECO・積立NISA等で積み立てるのが王道になりつつありますね。
30年で0.1%の差で15万程度です。
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