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書評:テンプルトン卿の流儀 ローレン・C・テンプルトン著

他人が絶望して売っているときに買い、他人が貪欲に買っているときに売るには、最高の精神的強靭性が必要とながる、最終的には最高の報いが得られる。

P.7

投資をやってらっしゃる方ですと、一度は聞いた事がある有名な一文ですね。

「これができたらなぁ」とか「言われなくてもわかっているさ」という声がでそうです。

有名な一文が、一人歩きして誰が言ったかがおざなりになりつつあります。

 

『テンプルトン卿の流儀』の中から、やればできる!暴落相場へ立ち向かう3つのポイントを紹介します。

暴落相場へ立ち向かう3つのポイント

グローバル投資

並外れて素晴らしいバーゲン銘柄を探し出そうとするとき、カナダだけに限定しないのが常識と言っていい。あるいは米国だけを探して少しは見つかるかもしれない。だがむしろ世界中を探したほうがいいのではないか。

P.69

最近ではグローバル投資の重要性が叫ばれています。

個人でもそうです。1つの家電量販店を探すよりも2つ3つと候補があれば探しませんか?私なら探します。

 

同じような製品であれば10,000円と8,900円どちらがいいですか?苦労して探しまわった1円でも安い商品を買えた喜びと言ったら!って違いますね。

家電量販店と世界とは違いますが、根本は一緒だなと感じます。

家電量販店を国。製品を株式に置き換えれば一緒ですよね。

 

日本1国に数十年単位で投資するよりも、複数の国にまたがればバーゲン品が数多く見つかります。

テンプルトン卿はアジア諸国(日本・中国・韓国等)でそれを行い、凄まじいリターンをあげています。

 

例えば、米国株投資。日本は、失われた10年が叫ばれて久しいですが、米国株はその間も成長を続けています。

日本だけに固執するのではなく、広い目で世界を見ましょう!

私は米国株をメインでやっていて、『米国株配当再投資戦略の是非メリット・デメリット』なんて記事も書いています。

「トップダウン」分析からではなく「ボトムアップ」分析

テンプルトン卿はその生涯を通して投資対象として有望な国を選ぶ才能で有名だった。だが一国に対する見解が、常に企業レベルで銘柄を徹底的に検討するプロセスを通じて形成されていたことはほとんど理解されていない。

このプロセスは「ボトムアップ」分析としてよく知られる。

中略

要するに国レベルでの見解はGDP(国内総生産)や雇用見通しなどから出発する「トップダウン」分析ではなく「ボトムアップ」分析の積み重ねの結果だった。

P.8

ここまで読むまで私はてっきり「トップダウン」分析から入っているのだと思いました。

それをボトムから入れとテンプルトン卿は言っています。確かに細部から入った方が、その国の実情はわかりやすい。

 

個人投資家で日は浅いですが、四季報とかを見ている時にあれ?って思う時ないですか。各セクターを見ている時に全体像がおぼろげに想像できる時があります。

 

テンプルトン卿は「人よりもほんの少し余分に努力する気になれば正しい答えが得られる。頂点と並みの成功を分けるのは、人よりも1時間多くの読書、訓練、練習、勉強をしようとする意思の力だ」と諭されています。

読書、訓練、練習、勉強。日々の積み重ねをテンプルトン卿みたいな方でも言われています。

 

最低限、四半期毎の決算くらいは、持株に対してフォローしたい所です。

 

個別株を勉強しようというやる気のある方は『個別株投資レベルを確実にアップさせてくれる本』なんて記事もオススメです。

最も優秀な投資家は強気相場ではなく弱気相場の行動で決まる

株式市場全体が上昇しているときに利益を上げるのは比較的易しい。だが市場が急落したときの厳しい逆境の中で現れる機会を積極的にとらえるためには、企業の分析能力以上の大きな力が必要となる。

〈中略〉

激しい急落のさなかに明晰な分析力を保つことは心理的には非常に難しい。テンプルトン卿はそれに対処する方法のひとつとして、急落が起きるずっと前に買いの意思決定を済ませていた。

〈中略〉

候補リスト銘柄の株価がバーゲンと言える水準まで下がったときに買えるようにしておいたのだ。

これも言われてみれば当たり前なのですが、できていませんでした。

急落に備えての資金はありますが、何をいくらで買うのかという心構えができていなければ万一起こった場合でもオロオロするだけですしね。

 

適正価格の40%下落値で無期限注文を出していた時もあるみたいです。

バーゲンハンターとしてはそうした「低確率」の出来事も見逃せないらしいです。

最近で言えば、コロナショック時の2020年3月付近が絶好の買い場でした。結果論ですけどね。

 

逆に暴落時に株式を売り出す人が多いので『株価暴落時にパニックになって株を売ってはならない理由』を読んで、キチンと耐えられるようにしておきましょう!

まとめ

『テンプルトン卿の流儀』の3つのポイントをまとめてみます。

  1. グローバル投資
  2. 「トップダウン」分析からではなく「ボトムアップ」分析
  3. 最も優秀な投資家は強気相場ではなく弱気相場の行動で決まる

3つのポイントを読んで私は『限りなく厳しい!けど努力次第で投資手段を増やせる本』だと読んでいて感じました。

 

グローバル投資ができれば、過熱市場から別の市場・銘柄へ移行がスムーズにできます。

ババを引く(過熱市場での最後の買い手)事もないですし、理想ですね。

「ボトムアップ」分析は、国際投資ならトップダウンなのかと一瞬錯覚する所、丹念にボトムから見てフォローしている分析力は秀逸でした。やり方も勉強になります。

 

最後のポイントは今の自分には一番勉強になりました。

急落相場の前に買い値を考えなさい』というのは、分かってはいたんですが欠落していました。景気後退期に強い銘柄をリスト作成して買値考えてみたいと思っています。

最後に核心の部分ですが、この本通りに全てを実践するのは限りなく難しいです。

言語力・対象国の政治、文化、民族習慣・リスクとリターンを冷静に測る力・現地視察等々。

 

数えるとキリがないくらいハードル高いです(笑)それができるからこそのテンプルトン卿であり、テンプルトンファンドの驚異的なリターンに繋がっています。

やれる所から徐々に活用していきながら、足りない部分は埋めていこうという方はお勧めです。

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