「強気株式相場での心理環境で是非読みたい1冊」ということで、『投資で一番大切な20の教え』著者:ハワード・マークスをご紹介したいとおもいます。
この本を知ったのは、他の著名個人投資家さん数名が推奨されていたのを見て購入しました。 まだまだ強気相場じゃないよという方もいらっしゃるかもしれませんが、そこは個人個人違う考えもお持ちだと思います。
あくまで私の現時点(2015年2月)の心理状態からの判断ですので、ご了承下さい。
※2020年8月追記
2015年2月と言えば、ダウ平均18,000ドル付近をウロウロしており、2016年2月付近に16,000ドルになり、そこからトランプ相場でノンストップで急上昇していますね。
2020年8月現在で28,000ドルなので、5年で10,000ドル近く上昇しています。
2015年は、強気相場の始まりだったんですね。
投資で一番大切な20の教え
ハワード・マークスとは?
オークツリー・キャピタル・マネジメント会長兼共同創業者。
ロサンゼルスを拠点とする同社は運用資産800億ドル以上を誇る投資会社で、ハイイールド債投資や不良債権投資を得意とする。
ペンシルベニア大学ウォートン・スクールにて金融を学び、シカゴ大学経営大学院にてMBAを取得。
本著巻末抜粋
投資ファンドの親玉でハイイールド債(低格付債券)や不良債権投資といった分野を得意とされてます。
一般人が一番リスクが高いと認識しているカテゴリーです。
こういったカテゴリーを得意としている方が「リスク」について語っていて、オフェンスではなくディフェンス重視な点が面白いなと感じました。
本書内容
前回こちらに書いた色々な外部要因で揺れているという話ですが、投資関連の本を読んで強く揺さぶられているのも一因です。
色々と痛い部分突いてくるんですよこの本。
- 資金調達が容易すぎると、カネはまちがったところへ流入する
- 資金が過剰に供給されると、投資家は低いリターンと狭い「誤りの許容範囲」を受け入れて、投資先を奪い合う
P.277
最近の日銀国債買い入れやREIT高騰を考えるてると、妙に納得してしまったりします。 本書に関しては投資本なのですが、投資手法は一切書いておりません。
著者の投資哲学のみで構成されています。それも投資リスクを突き詰めて、限定させるということを目標にされています。
- どうしたら投資リスクを限定させることができるのか?
- コンセンサスと別の見方をする理由とは?
- 市場環境が芳しくないときに、損失を最小限に抑えるには?
- 絶好の投資機会を見つける逆張りの考えかとは?
- ミスプライジングが起こりやすい非効率市場を見つけるには?
- マーケットリターンを上回る「成功する投資」を達成するには?
本著巻頭抜粋
ディフェンシブなんですが、上げ相場でも下げ相場でもパフォーマンスをあげるという事をメインに考えられてます。
雑感
投資にはオフェンス面とディフェンス面があります。
ディフェンス面が多い本書ですが、オークツリーのモットーが「損失を回避することが自ずと全体の収益率を高める」ですからさもありなんという所でしょうか。
オークツリーはニューヨーク証券取引所に上場しています。
本質的価値を徹底的に理解して、本質的価値を下回る価格で買うことである。
P.300
「誤りの許容範囲」はディフェンシブ投資に絶対不可欠な要素である。〈中略〉
「誤りの教養範囲」は、身近にある有形で永続的な価値を持つ資産を重視する、価格が本質的価値を大幅に下回ったときのみ買う、レバレッジを使うのを避ける、分散投資する、といった方法で獲得できる。
P.308
この辺がたろ的には気になりました。
言われていることは基本なんですが、中々これができない。
今のような相場上昇期には、ツイツイ本質的価値と同等やそれ以上の価値が付いているものを買いやすいです。
買った本人は、その時点では割安と思ってるのですがヨクヨク調べもせずに買ってたりとか、中身の十分分かってないものに投資したりと、耳が痛い話です。
「全然勉強足りてない自分を叱ってくれてる1冊」です。
まとめ
本書は相場について書かれた本なのですが、心理面にかなりの比重を割いてます。
リスク・コントロールはディフェンシブな投資の核である。
ディフェンシブ投資家は、正しいことを行おうとするだけでなく、間違ったことを行わないという点を強く重視する。
逆境で生き残る能力を身につけることと、良い時期にリターンを最大化することは両立しないため、投資家はこのバランスをどうとるか決断しなければならない。
ディフェンシブ投資家は前者に重きを置く道を選ぶ。
P.307
リスクについての本なのですが、ディフェンシブな内容ばっかりで今の相場では退屈な方も多そうです。
こういう本を今読んだ方がいいような気もしますが、中々受け入れずらいですよね。
最終的には各人の選択なのでしょうが、一度は参考に読んでおいた方がいい本です。
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