2017/08/12

古今東西の国家の盛衰のキモは2つ 果たして現代日本の末路は?

本当に歴史を動かしているのは、政治や戦争ではない。お金、経済なのである。

古今東西、国家を維持していくためには、「徴税システムの整備」と「国民生活の安定」が絶対条件である。

最初に答えを引用したのですが、色々と考えさせられる本と出会いました。

『お金の流れで分かる世界の歴史 大村大次郎著』という本なのですが、古今東西の繁栄した国が何故繁栄したのか?をお金の流れで紐解いた1冊です。

古代エジプト・古代中国・ローマ帝国・イスラム帝国・モンゴル帝国・大英帝国・現代アメリカと世界の名だたる世界史の覇者を「お金」の流れで見ていくといった新たな手法を取り入れています。

元々著者は国税調査官で、退官してからこういう本を数十冊書いているみたいですが、非常に読み応えがありなるほどという部分が多くありました。

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何故「徴税システムの整備」と「国民生活の安定」が重要なのか?

国家というシステムは、金食い虫です。

近代は少なくなりましたが、古代から第二次世界大戦まで各国は戦争の日々でした。

戦争というのは、見た目の派手さ悲惨さが誇張されがちですが、国家間の資産闘争の意味合いが色濃く反映されます。

資産のつぶしあい(人的・物的両面)をして、優勢な国が他国を支配するということを行ってきました。

そうなると、資産の拡張が国家にとっては至上命題となります。

資産を拡張するには、「お金」が無ければ何もできません。国家の命令でお願いすることはできますが、人はお願いするだけでは動いてくれません。お願い(命令)+αに報酬が必要になってきます。

そのため、国家運営にはお金が必要なのです。

国がお金を集めるためには、良質な徴税システムが欠かせません。民衆にとっては、嫌な税金であっても徴収する必要があります。

ここが世界史上の大国と呼ばれた国は、非常に簡潔・軽い税率システムを打ち出して、資金集めを行っています。

逆に言うと、複雑・重税なシステムを構築しだすと国家は衰退していきます。

前出の古代~中世の国家(古代エジプト・古代中国・ローマ帝国・イスラム帝国)は、ほぼ複雑・重税なシステムを導入しだした辺りから衰退が始まっています。

内部官僚の腐敗が進んで、重税で領民が不満を持ち、外部要因(外敵等)に攻め滅ぼされるパターンが多々見受けられます。

そのため、「徴税システムの整備」と「国民生活の安定」は密接に結びついているとも言えます。

金の切れ目は国家の破綻

『金の切れ目は縁の切れ目』というコトワザがありますが、国家の場合は縁どころか破綻します。会社でいう倒産(デフォルト)です。

会社の場合倒産して命は取られませんが、国家の場合は命まで取られる可能性も高いです。

例えば、有名なフランス革命もそうです。

当時、フランスは隣国間で戦争に明け暮れていて、なおかつアメリカ独立戦争支援などで戦費がかさみ、30億リーブル(6,000億円程度)の借金が達していた。

借金に対する利息だけで2億リーブル(400億円程度)近くになる。

6,000円・400円の世界ではなく、億円の世界なので非常に巨額な借金を背負っていたといことです。

国民に借金がバレただけでなく、浪費額まで公表してしまったのが革命の直接原因ですが、お金が無くなると国家はこうなるという典型的な見本例となってしまいました。

果たして現代日本の末路は?

OECD加盟34か国の大半では、過去30年で所得格差が最大となっており、人口における最富裕層10%が最貧層10%の約9.6倍の所得を得ているとされる。1980年代には同約7倍だった。

AFPニュース引用

貧富の格差が叫ばれて久しいですが、拍車がかかってきています。

最近では、富裕層上位1%が世界の富の半分を手にしているという、記事まで見受けられるようにりました。

日本も富裕層と貧困層に分かれていっており、中間層という言葉が死語になりつつあります。

冒頭でも書きましたが、国家の安定には「徴税システムの整備」と「国民生活の安定」が必須です。これと貧富の差も密接に関係してきます。

貧富の差が拡大して、富裕層はどういったことを考えるか?

第一に富の保全を考えます。保全を考える際に一番の障害は、徴税システムです。

所得税・法人税・相続税と色々な税金がありますが、これを節税や脱税で免除されようとします。一時期流行っていたタックスヘイブンというのもこの一環です。

富裕層がこういう施策をすると、徴税システム自体が脆弱になり、貧富の格差がますます広がっていくことになります。

行き着く先は、フランス革命かもしれません。

世界史の流れを一通りおさらいしたいという方にも向いていますが、「お金」が好きな方のが向いているかもしれません。