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山崎氏の『「経済成長」にかけるより「マーケット」を信じよう』の雑感

山崎氏が、トウシルで連載している記事の中で『「経済成長」にかけるより「マーケット」を信じよう』という記事をUPしていた。

概ね筆者の主張にうなずけるし、良記事だ。

 

私が山崎氏の理論を理解できていないという所が大な気もするが、少し疑問に思った点もあり、まとめてみたいと思う。

リンク「経済成長」に賭けるより「マーケット」を信じよう

山崎氏の主張

利益成長率が高い場合はより高い株価が付き、ゼロ成長の場合はそれほど高くない株価が付き、マイナス成長の場合より低い株価が付く。おおまかに言い直すと、利益成長が高くても低くても「それなりの株価」が付くということだ。

 

そして、いずれの場合も、理論株価で投資家が投資した場合の期待リターン(投資収益率)は6%だということになる。

 

市場が正しく機能しているなら、利益の成長率が高くても、低くても、投資家が負担するリスクに見合ったリスク・プレミアムが実現するということだ。

 

〈中略〉

マーケットの価格形成が概ね正しく機能するなら、(1)高成長が期待されていたのに成長率が落ちた銘柄よりも、(2)低成長(あるいはマイナス成長)が期待されていてそれが少しマシに改善された銘柄のほうが、投資していた場合のリターンは大きい理屈だ。

要点は、利益成長が高くても低くても「それなりの株価」が付くということという点

成長率が各国違い、マイナス成長の国もあるが、マーケットを信頼できるのであれば、ついている値段が概ね妥当な価格形成値ということになる。

高成長側よりも低成長側のがリターンの改善期待大であるが、判断が難しいので、幅広く分散投資するのが良いと締めくくっている。

主張の元になっている数式

株価Pを、将来の純利益(配当でもいい)の割引現在価値の合計だと考えて、

割引率をr、純利益の成長率をg(均一の成長率で将来までずっと続くと考える)、予想される1期目の一株利益をEとして、理論株価を求めると、以下のようになる(高校2年生くらいで習う「等比数列の和の公式」で求められる。文系に進学された方も、勉強されたはずだ)。

 

P=E/(r-g)

 

rやgは、例えば年率5%の場合、0.05、0.01といった調子で数字を代入して欲しい。長期の話なので、r>gである。

 

rは割引率だが、その中身は、無リスクの金利iと投資家がリスク負担に求める追加的なリターンであるリスク・プレミアムpの合計だ。r=i+p、である。

投資対象価格Pに対して、Eは一定。rのリスクプレミアムも一定とすると、gの成長率の変動で価格形成されるワケだが、プラス成長でもマイナス成長でも、一定の価格形成がなされる。

となると、理論価格的には、高成長・低成長どちらのマーケットにお金を突っ込んだとしても、一定のリターンが見込めるという論理展開

理論的に合っていると思わるが・・・

投資家に残された問題が3つある。

 

1つはマーケットに正しく株価を付ける能力があるのかということであり、もう1つは利益成長率の予想がどのように変動するのかということであり、最後に自分は利益成長率の予想ゲームにあって優位に立てるのかということだ。

 

あとの2つについて補足するなら、理論株価は「市場参加者が抱く利益予想の見通しに対して」形成されるものだ。現実の利益の推移は、あくまでも市場参加者の予想に影響を与える点で重要なのだ。

マーケットに関しては、概ね正しい(間違っている時も多く感じる)と判断している。

後の2点に関しても、幅広い銘柄に連動するインデックス投資なら、クリアできそうだ。

となると、氏の推奨している日本市場:海外市場=50:50按分でもOKなのだが、それよりも全世界系(emaxis slimオールカントリー)を買っとけば、それで十分なような気もする。

 

私も日本国民なので理解できるが、日本国に対して楽観的すぎるような気がしないでもない。

ここら辺は年齢的な差(著者と10-20歳違う)なのかなとも思っているが、日本市場に関しては、特に金融機関に関しては、一回どこかで整理する必要性が高いと思われる。

PBR1倍割れの銘柄でも特に金融機関は多く、倒産前提で織り込まれている銘柄も多く見られる。

 

私よりも更に下の世代(20代~30代前半)の投資家は、私以上に日本市場を冷めた目線で見ているような気がする。

逆にそれのギャップが価格上昇要因と指摘されれば、ごもっともとなるのだが、日本特有の問題(雇用事情・横ら並び主義・進まぬ制度改革)がクリアにならないと、厳しいと判断している。

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お金らいふ

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