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【読書録】情報なき国家の悲劇 大本営参謀の情報戦記

最近、インプットばかりで、アウトプットが出来ていません。

アウトプットの習慣化作りに、読書録をアップしていきます。

読んだ本は、こちら

情報を扱う全ての人へ。先人の貴重な教訓に溢れた名著。

「太平洋各地での玉砕と敗戦の悲劇は、日本軍が事前の情報収集・解析を軽視したところに起因している」―太平洋戦中は大本営情報参謀として米軍の作戦を次々と予測的中させて名を馳せ、戦後は自衛隊統幕情報室長を務めたプロが、その稀有な体験を回顧し、情報に疎い日本の組織の“構造的欠陥"を剔抉する。

上記は、Amazonでの紹介文ですが、旧日本軍の戦争絡みの冷静な分析記録を読もうとするなら、『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』と一緒に読みたい一冊です。

それでは紹介していきます。

【引用その1】太平洋戦争必勝六法

中将は日記に必勝六法と書いているが、堀の記憶では、「制空の絶対」、「技術で作る制高」、「線と点」、「戦場の選定」、「面の防空」の五つしか出てこない。

6つと書きながら、5つしか出てきません。

堀氏も著作で述べている通り、軍中枢部への批評大な意見であったため、六法としたのではと書かれています。(5つも6つも同じような気がしますが)

書かれていることは正論で、太平洋戦争当時『制空権』というのがいかに重要だったかといったことをこれでもか!というくらい書かれています。

『制空権』は、点では防衛できず、点と点を繋いでいき面として防衛する必要があるということを堀氏は、当時の上長である中将から教わったそうです。

実際、今だから言えますが、当時面で防衛するという意識を持った日本人が何人いたのか、旧日本軍にもスゴイことを考える人もいたんだなと感心しました。

【引用その2】鉄量に関する日米の考えの差

日本軍が満洲や中国大陸で二流三流の軍隊と戦って楽勝を重ねてきた間に、世界の近代軍は一発必中を無視して、幕で被せる戦法に転じていた。それは結局、鉄量に対する考え方の天と地ほどの大差であった。

日中・日露戦争の戦勝から抜け出せなかったのが、太平洋戦争の大きな敗因でした。

戦艦大和に象徴されるように、旧来の巨艦決戦至上主義から、航空機による制空権争いへの変化に鈍感になっていたんでしょうね。

鉄量という面でも、日米の物量差は如何ともし難い差があったような気がします。

【引用その3】情報の取り方

ダイヤモンドの真偽は、二線交叉、三線交叉で初めて識別出来るもので、米国内に作り上げた代々の日本武官たちの諜報網が、戦争中も存続していたら東情報との二線、三線交叉が求められたはずだと考える

堀氏の情報参謀らしい真骨頂

情報は、一線だけで取るのではなく、二線・三線と多角的に検証する必要性を説いています。

見えない情報というのは、いつの時代もありますが、ニュースソースに関して複数もつ必要性があると感じました。

【引用その4】情報の軽視

日本はいま経済大国と自負しているが、軍事的には、どんなに威張っても空域を保持する力も、宇宙から地上を見る力も、宇宙で戦う力もない小国である。

ミサイル一発で海岸の原子力発電所がやられたら、また広島以上の危害を被るであろう。

あの米ソの谷間で、大きな「兎の耳」を立てているような国が、何を頼りに生きているかを、もっと深刻に研究する必要がある。敗戦という大経験を経ながら、情報はまだその日暮しである。

現代日本への警告というか、もうこのまんまという感じです。

平和ボケというか、アメリカ保護が数十年続いているので、それが当たり前になっているのが非常に怖いです。

自衛隊も立派に国に仕えてもらっていますが、自衛のための軍というのも拒否するのは違う気がしますね。

【引用その5】情報の出処

「情報の究極は権力の中枢から出てくる。

ソ連のような国では権力の中枢に近づけないから、中枢の外周で徴候を見て廻ることになる」というのがあったが、いま、まさにそうなってしまった。

キューバ危機当時、堀氏はドイツ大使として赴任していました。

そのドイツ滞在時の情報の取り方です。

小国=「兎の耳」を立てているような国が、情報を取りにいくとは、中枢の外周で二線・三線と多角的に検証することであることを述べています。

具体的な方法に関しては、著作を確認下さい。

まとめ(実行ポイント)

  • 情報は一線だけで取るのではなく、二線・三線と多角的に検証する
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お金らいふ

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