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PER(株価収益率)の基本的な考え方と活用方法

株式投資をする際の一番代表的な指標と言っても過言ではないPER(株価収益率)

投資指南本には、必ずといってよいほど出てくる指標です。

PERが低ければ割安、高ければ割高と見られがちな指標ですが、これだけを見て投資適格性があると判断して投資を行うのは危険行為です。

扱う銘柄によっても違いますし、PERの中身を見ると見せかけだけの低PERの可能性も捨てきれません。

PER(株価収益率)の基本的な考え方と活用方法をご紹介します。

PERの意味

PER(Price Earnings Ratio)は株価収益率と言われており、1株利益(以下EPS)に対して株価が何倍まで買われているかを確認するための指標です。

例えば、前期のEPSが30円・株価600円とすると、PERは20倍。

来期予想EPSが60円とすると、PER20倍のままと仮定して1,200円くらいまでは買えるのではという判断材料になります。

要は、企業の収益性を見て投資判断を行うための指標ですが、単純に1期だけ見ても森の中で木を見ているのに等しく無意味な行為となります。

過去3年程度のPERを見て、未来2年程度の予想PERを計算して、始めて見られる数値になります。

PERの割高・割安基準

全市場平均では、割安‐割高水準は上記表の通りとなります。

業種、業態によって変わってくるので、必ず同業他社との比較は必要です。

全市場平均と業種別平均とでは、かなりの開きがある業種もあります。

PERの計算方法

①現在の株価÷EPS(1株当たり利益)

②時価総額(現在の株価×株数)÷当期純利益

③PBR(1株当たり純資産)÷ROE(株主資本利益率)

PERの計算方法としては、①が一番使われやすいですが、②③でも計算可能です。

③に関しては、PER=PBR÷ROEなので、3つの内2つの数字が分かっていれば式の変換でどの指標も求めることができます。

PBR=PER×ROE、ROE=PER÷PBRといった具合にです。

何故こうなるか?というのは、個々の指標を考えていく必要があるので、また別記事で書いていきます。こういう風に変換できますよと、頭の片隅に置いておくと後々便利です。

要は、『株価に対しての収益率』を計算しているのですが、言い換えると『利益を何年で回収できるか』を求めている指標です

利益を何年で回収できるか

PER◯倍と言われてもと言う方が大半だと思われますが、先程も書いた通り『利益を何年で回収できるか』を求めている指標と言えば分かり易いのではないでしょうか。

市場平均のPER15倍なら、1株利益が15年続けば投資元本を回収できると考えればOKです。

となると、PER50倍以上の株だと、回収に50年以上かかるじゃないかという話になりますが、あくまで現時点のPERというのがキモになります。

先程の①現在の株価÷EPS(1株当たり利益)にあてはめて、例としてPER50倍の株を作ってみましょう。

PER50倍=株価1,000円÷EPS20円

これでPER50倍です。では近い将来にEPSが5倍程度爆発的に増えると考えられていれば、PERはいくらになるでしょうか?

PER10倍=株価1,000円÷EPS100円

PERが5分の1になりました。これなら市場平均の15倍よりも低いので、十分買える計算になります。

じゃあこのEPSの伸びはどうやって決めるのか?という話になりますが、個々人の判断になります。なので、成長鈍化等で見誤ると以下のようになって暴落する可能性もあり得ます。

PER100倍=株価1,000円÷EPS10円

PER100倍なんて投資元本が100年回収できない訳ですから、売られますよね・・・

成長企業によくあるパターンで、成長率が鈍化して暴落するパターンは上記のような、EPS半減がよく見られます。

ただし、この指標だけを見ていると見誤ることになるので、総合的に判断する技術が必要になります。

PERの注意点

PERの高低だけで割高、割安の判断をしない

PERの高低だけで見ていると、企業価値を見誤ります。

成長企業であれば、高PERも容認される傾向が高くなって、PER100倍でも容認される可能性もあります。

株は美人投票と言われている要因の1つでもありますが、美人と判断されればみんなが群がってきて、いくらでも高値になるのが株です。

美人だと思われている限り上昇していくので、最後の最後に美人だと思った方がババを引くイメージです。配当等を考慮するとまた違った側面も出てくるのですが、人気成長株は配当も雀の涙であったりするので、余計急落時は注意が必要です。

美人だと判断される前に仕込むのが一番なんですが、これが判断できるようなら勉強しなくても問題ないのですが・・・

「人の行く裏に道あり花の山」

「十人が十人片寄るときは決して(必ず)その裏くるものなり。」

昔から言われている格言ですが、PERは代表的な指標なので美人投票に使用されやすくなります。

特別利益で異常値が出る可能性

PERの計算方法で当期純利益の項目が上がっていましたが、損益計算書を読める方なら特別利益で異常値が出るというのも理解されているはずです。

特別利益は例えば以下のような項目です。

  • 不動産、株式等の固定資産売却益
  • 債務免除による債務免除益
  • 前期の損益を修正することで発生した前期損益修正益
  • 子会社売却益

不動産等の固定資産売却益は比較的出しやすい特別利益なので、その期だけ非常に低いPER(EPSが極端に上がるため)になる可能性はありえます。

そのため、2期3期と比較してEPSを確認する必要があります。

手っ取り早く複数期のEPSを確認したければ、会社四季報が非常に便利です。四季報の場合過去5年程度の通期決算数値(EPS含む)が載っているので、比較検討しやすくなっています。

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同じ業種で比較検討する

投資検討を行うなら、同業他社との比較も必須でしょう。

同業に比べてPERが低いようであれば、まだ買う余地があるかの検討材料になりますし、何故低いのかといった分析にも活用できます。

一般的にIT系に代表されるサービス業は、高PERになる傾向が高くなります。

市場全体・業種平均を見るのでしたら、初心者のための割安株ドットコムさんとこのが見やすいです。

リンク初心者のための割安株ドットコム

まとめ

PERは株価分析には必須の指数ですが、鵜呑みにすると株価が割高or割安かの判断を見誤ります。

投資初心者には入りやすい指標ですが、最低限過去3期比較・同業他社比較を行ってから参考にしましょう。

最近の好景気?で高PER株が頻出していますが、こういう時こそ真贋を見極められるようにしたいものです。

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