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書評:ミライの授業 著者:瀧本 哲史

未来の授業

未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ アラン・ケイ

P.1

14歳と言えば中学2年or3年生です。

思春期真っ只中で好きな男の子や女の子の話をしながら、友達と馬鹿騒ぎしたり、学校の授業ダリーとか言いながらみんなと愚痴りあったりと騒がしい時期です。

「あぁこんな時間早く過ぎ去って欲しいな」と「ずーっと続いて欲しいな」が同居するめずらしい時期ですね。

 

著者は、瀧本哲史氏京都大学で教鞭を取っていらっしゃる客員准教授。東大法学部卒です。

そんな方が14歳に向けた1冊『ミライの授業』を読んで気になった点をご紹介します。

違和感を大事にして、疑う力を持つ

彼女は、ただひたすら看護に尽くしただけの女性ではありません。「事実としての正しさ」を見極め、大きな「課題発見」を成し遂げた女性だったのです。

P.68

世界一有名な看護婦と言えば誰でしょうか?

日本人なら大半の人は分かるかもしれませんが、ナイチンゲールです。

イギリス人で裕福な家庭に生まれたナイチンゲールですが、当時最下層の職種と言われていた看護婦になり、戦地(クリミア戦争)にまで行って、夜通しの看護をして、「クリミアの天使」と呼ばれていた女性。また、世界初の宗教系ではない看護学校を創設した人でもあります。

 

ナイチンゲールという人物は看護だけで世界的有名人になったのか?と言われると、今まではそうだと思い込んでいましたが、キチンと統計学を学んでいた才女の面は、本著を読むまで全く知りませんでした。

統計学と言えば、中学・高校での数学が基礎的な素養を育てます。

何故社会に役に立たない勉強を学校でするのか?という疑問に対しての一つの答えを提示してくれます。

 

彼女が戦地で生のデータを集めて加工した統計資料は、イギリスの軍隊制度を変えます。それまではあまりに粗悪であった、戦地での看護体制をより機能的・衛生的に変えていきました。

具体的には、戦地での不衛生による戦死者を死因区分別に分けたて軍上層部に訴え、不衛生な環境下の病院での病死がダントツに多かったのを改善。

クリミア戦争以後イギリス軍の野戦病院死亡率は、著しく下がったそうです。

 

「課題発見」をして、「事実としての正しさ」を数字として示して万人に周知し、改善する。言葉では簡単ですが、これがいかに難しいか。

ナイチンゲールは身をもって示しました。

大きな冒険に向けて、自分だけの「地図」を描く

すべての家庭にコンピュータが置かれる時代に突入するはずだ。《中略》

「そのときには、『ハード』ではなく『ソフト』が重要になっているはずだ」

P.123

1972年当時個人用コンピュータなどない時代。

マイクロソフトのビル・ゲイツはこう考えていました。

いまや1家に1台どころか2台・3台あるパソコン。現在では当たり前なこの状況を40年以上前に『見えて』いたゲイツ氏

 

それもパソコンその物(ハード)ではなく、パソコンの中身(ソフト)部分が核になると予見していたというのが先見の明と言えばそれまでですが、コンピュータ業界に新たな地図を描いたと言っても過言ではありません。

その後のwindowsの隆盛は、みなさん当然知っているでしょうし、マイクロソフト帝国と呼ばれるまで成長しました。

 

この他にもマーガレット・サッチャー、伊能忠敬といった数々の歴史の偉人を紹介しながら、14歳当時に読んでいたらと思いましたが、成人にも十分読み応えのある一冊になっています。

是非チェックしてみて下さい。

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お金らいふ

コメント

  1. 突然のコメント、失礼いたします。
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    今回レビューを拝読し、ぜひ本が好き!にもレビューを投稿していただきたいと思いコメントいたしました。
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    • たろ より:

      こんばんわ。
      レビューについて前向きに考えます(^^
      ご連絡ありがとうございました。

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