最近では、管理職を筆頭にビジネスマンでも決算書を読む力は、自社・他社の状況を知ったり、部署毎の計数表を作らされれたりと必須の学問になってきています。
ただ、今までは決算書を読む前に簿記という科目を勉強する必要がありました。
簿記が嫌だから決算書も読み解けないという方もいるみたいです。
そういう方向けに本書『財務三表一体理解法 著:國貞 克則』は、一から十まで決算書類(財務3表)のみで簡単に説明していて、決算書が読めるように構成されています。
では実際どういったことを説明しているかご紹介していきます。
簿記を勉強しなくても会計の仕組みが分かる
いままでの会計の勉強法は、会計とういう森の一本一本の木の勉強ばかりしていましたが、この本で紹介する勉強法は、会計の森全体を木と木のつながりを明らかにしながら理解していくというものです。
P.19
決算書(森)を読みとく前に1本ずつの木(簿記の会計原則)を覚えるイメージです。まぁこの簿記という科目は、数字が好きな人なら面白くて神秘的な科目なのですが、まぁ深みがある学問で中々とっつきづらいです。
本著のアプローチの仕方は、まず全体(森)を見せて、森の中の木を一本ずつ説明するのではなく、実際の商売の流れからそれぞれの木の説明をしてくれます。
何故この方法が良いかというと、まず飽きがきません。どういった仕組みかというのを座学で理解してから進むのと、OJTで実践しながら覚えるのどちらが飽きが来ないかの違いです。
理解もはかどります。売掛金・買掛金といった簿記特有の言葉も商売の流れ上から理解するとストンと頭に入ってきます。
初心者には色々とメリットが多い方法で、非常に助かります。
収益性を見る財務分析指標の利用
収益性指標
- 売上高経常利益率
- 総資本経常利益率
- ROAROE
安定性指標
- 流動比率
- 当座比率
- 自己資本比率
- 固定比率
比較法
- 同業他者比較
- 機関比較
- 標準比較
P.169
収益性比較も決算書を読み解く力と1セットです。
サラーマンが忙しい中で決算書を読み解くとすれば、自社の強みや他社との比較が重要になります。
簿記等の一般的な学術書は、サラッとしかやってくれませんが、本著は上記のような項目を事細かに解説してくれます。
一般的な財務分析方法ですが、管理職になったら重宝する指標ばかりなので、一通り理解はしておきたいですね。
まとめ
会計を学んだことの無い方にとっての入口的1冊としては、非常に分かりやすくまとめている印象です。
本書を使用して、キャッシュフロー計算書を作ることができるようになります。損益計算書や貸借対照表は、比較的理解している方が多いですが、決算書類の中でもキャッシュフロー計算書は中々理解の進みづらい所です。
そういった面でも分かりやすく仕組みを解説して、作成までできる本著は簿記未就学の現代管理職サラリーマン向けに素晴らしい1冊に仕上がっています。
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