四十までは勤倹貯蓄、生活安定の基礎を築き、六十までは専心究学、七十まではお礼奉公、七十からは山紫水明の温泉郷で晴耕雨読の楽居
日本人の鑑みたいな生き方ですが、およそ150年前に文字通りの人生を生きた本田静六の話をしたいと思います。
私と本田氏とは何の接点もありませんが、著書『私の財産告白』を読んで蓄財法に共感する部分があったのでご紹介します。
著書来歴
初版1951年と今からおよそ60年前の古典の部類に入ります。没年が1952年(満85歳没)なので、著者が84歳の時点で出版された書籍です。
本田氏は370冊の著作をお持ちなのですが、その最晩年の1冊。何故最晩年かと言うと読めば分かるのですが、「お金」についての生々しい記述が随所に見られます。
最初の種銭の貯め方から蓄財の方法まで、これでもかと氏の財産形成の仕方が書かれている1冊。
この本が異色なのは、蓄財した資産の使い方まで教えてくれる親切っぷりです。
お金の話は語りにくい
財産や金儲けの話になると、在来の社会通年において、いかにも心事が陋劣であるかのように思われやすいので、本人の口から正直なことがなかなか語りにくいものである。
お金の話は公にしづらいというのは、今も昔も変わらず日本の常識。
どうも日本では「お金」というものに対して、話題にしたくない風潮が続いています。
そうは言っても退職金等まとまったお金が入ってくると、心配になって銀行等に相談に行って訳も分からん投資商品に投資してしまうという現象もあったり。
著者が生存していた1950年代当時も今とあまり変わらない状況だったみたいで、こういう本は異色本の類で受けとめられていたみたいです。
最晩年に刊行しているあたり、「お金」という一番デリケートな部分の配慮があったのでしょう。
参考銀行との上手な付き合い方
本田式蓄財法
本田式4分の1貯金法
いくらでもいい、収入があったとき、容赦なくまずその四分の一を天引きにして貯金をしてしまう。そうして、その余の四分の三で、いっそう苦しい生活を覚悟の上で押し通すことである。
貯金の問題は、要するに、方法の如何ではなく、実行の如何である。
150年前から天引き貯金の有効性を認識していた、著者の着想と行動に脱帽してしまいました。昔は給与天引きで定期積立等が無かった時代ですから、貰ってから別途預金に貯めていたのでしょう。
貰う前に貯金と貰った後に貯金。どちらも同じ貯金ですが、断然貰う前のが貯金し易いです。貰った後のお金が減るという苦痛をリアルに感じるためです。
それも四分の一の天引き。不断の努力を感じます。
参考100万の貯め方は色々だけど心掛けておくべきたった1つのこと
辛い思いをしても千円
どんなに辛い思いをしても、まず千円をお貯めなさい。千円貯まれば、たちまち五千円貯まり、五千円貯まれば間もなく一万円にはいとやすいことである。
金が金を生み、金がある処にはまたいろいろいい智慧も出てきて、いよいよ面白い投資口も考えられてくる。
明治時代の千円は、1円3,000円の価値があったとされる(諸説あり)ので、300万円。
300万あれば、1,500万・3,000万もやり方さえ間違えなければ可能と著者は言っています。
投資の手段も金額が増えれば増えるほど多くなります。詐欺的な投資も多くなるので注意が必要ですが・・・
参考1000万貯める方法 貯めたいなら四の五の言わず100万貯めて下さい。
貯金を作る生活にかかせない家計簿
貯金を作る生活は、まず、家計簿をつける生活から始まらねばならないことを、とくに力説しておきたい。
基本は家計簿。
我が家4年ほどずっとつけていましたが、最近はマネーフォワードに家計簿頼っています。クラウド家計簿で入力の手間が段違いに簡単なので導入していますが、どうしても数字の「痛み」が分かりづらいという点があります。
最初は紙の家計簿にわずかの期間でもいいので、記帳した方が家計の仕組みも分かりやすいので、おすすめしときます。
参考無料家計簿アプリマネーフォワードのメリット・デメリット半年使って分かったこと
蓄財投資法
株を買って儲けたお金を秩父の山林買収に当てた。好景気が来て、大きな利益を得た。
著者は、4分の1貯金を継続して行って、ある程度のお金が溜まった段階で投資を行っています。
今も昔も貯金だけでは途方もない財産(3億以上)を築くのは不可能で、株式その後山林(不動産)取引とリスクを取りながら大きなリターンを得ています。
ただ、投資は人それぞれで不得手な人は、個別株や不動産といったものには手を出さず、セゾン投信やインデックス投資だけを行うのも一つの手段として有効です。
参考【セゾン投信】年金に頼らず老後の生活資金を確保したい方へおすすめの投資信託
不幸の源泉
積立てには、おのずからある程度がある。その限度を超えると、幸福の源泉であるはずの金が、かえって不幸の源泉となってくる。
一般の人が生涯働いても手に入らない大金を得た著者は、60を境に食べられる分を残して、匿名で大部分を寄付してしまいます。
子孫に残しても害があると考えたそうです。凄い人物ですね。
まとめ
本田式蓄財法をまとめます。
- 収入があれば問答無用で四分の一貯金
- 辛い思いをしてもまず300万円貯める
- 貯金には家計簿が欠かせない
- ある程度貯金が溜まったら投資へ
これを150年前の人がやっているというのも驚きですが、Wikiに巨万の富を築いたと書いている巨万って正味いくらくらい稼いだのか本人に聞いてみたいです。
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