最近、インプットばかりで、アウトプットが出来ていません。
アウトプットの習慣化作りに、読書録をアップしていきます。
読んだ本は、こちら
最近コロナ問題を起こした元内閣参与高橋洋一氏の一冊
著作を読んでいると、コロナを「さざ波」と言ってしまったのも何となく分かりますね。
海外データとの比較での発言ですが、データしか見ずに国民の『感情』を逆なでして、炎上という形です。
とは言っても、本に貴賤は無いので、罪はありません。
何か1つでも糧になる部分があれば、読まないより読んだほうがいいです。
それでは紹介していきます。
【引用その1】フィリップス曲線
何かの政策を実行するときに財政出動なり、金融緩和なりをすれば、物価が上がりやすくなって失業率が下がりやすくなる。これを「フィリップス関係(曲線)」という。この物価と失業率の関係は有名で、経済学部にいけば必ず習う。
大昔経済学講義で、習ったような習わなかったようなフィリップス曲線
物価上昇率と失業率に明確な因果関係があるという理論です。
昔からある(大学の講義でも出る)理論なので、信ぴょう性は高いです。
著者は、新しい土台がない理論(MMT理論)のような理論より、昔からあるある程度立証された理論を土台に考えた方がいいという立場に見受けられました。
古い理論って骨董品扱いされがちですが、多数の検証の目をくぐり抜けて生き残っているので、バカにできません。
【引用その2】円ドル為替
過去40年間のデータを見ると、ドルに対する円のマネタリーベースの比が大きい年(ドルに対する円の量が比較的多い年)ほど円安、小さい年(ドルに対する円の量が比較的少ない)ほど円高になっている。
マネタリーベースとマネーストックは、別物です。
ここでは、日米のマネタリーベースを比較しています。著作の中でマネタリーベースの関連図が掲載されていますが、実際正比例している訳ではありません。
為替に関しては、マネタリーベースだけではなく、様々な要因で上下しますので、この点は私には疑問でした。
【引用その3】国の借金
国債の1000兆円が大変だという人には、半分の500兆円は日銀の分だと伝えて、日銀が持っているから利払いが発生しないし、利払いをしても国庫納付金で政府にすべて返ってくる。
一方であと半分の500兆円は利払いが発生するが、金融資産の収益があるからトントンになると説明してあげよう。
3分の1くらいは、日銀が保有しているのだろうとは思っていましたが、500兆円は意外でした。政府と日銀は、親子関係なので、利払いする必要はないというのは、うなずける所です。
令和2年度末で日銀国債保有約532兆円ですね
参考:日銀のBS
銀行券と国債を交換しているだけ(銀行をからました間接財政ファイナンスなような)なので、高インフレにならない限り、やり続けることが可能?
万年「財政破綻する!」と言っている方よりは、信用できそう。
【引用その4】高齢化
高齢化よりも少子化のほうがインパクトはあるから、最近は高齢化といわなくなってきた。じつは内閣府の『高齢社会白書』という資料を見れば、高齢化率には上限があり、平均年齢+αで見ればある一定のところで収まることがわかる。これは人口構成の話で、ある割合以上にはいかないというのが統計学的には普通
どんどん高齢化率が上がっていくものと思っていましたが、統計学的に上昇しづらくなるのは知りませんでした。数値・グラフの見せ方次第といった所ですね。
常に、一次データに当たる必要があります。
【引用その5】ベーシック・インカム
ベーシックインカムの制度設計は難しい。だから世界で導入している国はない。理由は簡単で、年金や医療はもともと保険だからだ。
全体の金額は大きいけれど、病気した人や長生きした人など対象を絞って払う。これが保険の原理だ。これをみんな平等に配ってしまうとどうなるか。
保険料と、もらえる分配金が同じになってしまう。ベーシックインカムを主張する人は、このへんの理屈がわかっていない。
年金は、保険である。
この点を理解されているのは、さすがだなと感じました。
保険であるか否かを理解しているかしていないかで、年金の見方が変わるります。ベーシック・インカムに関しては、中々難しいんでしょうね。
まとめ(実行ポイント)
- 一次資料にあたる!
- 統計的考えを取り入れる
- 国の借金の正しい理解を更に学ぶ
コメント