KISSの法則という法則があります。
「Keep it simple, stupid.」(シンプルにしておけ!この間抜け)の略ですが、物事は単純化できるものは単純化しておいた方が良いという意味合いで使われています。
私も最近まで物事は単純化した方が分かりやすいし、再現性が高くなると信じていました。今でもシンプルに物事をすすめる方を好みますが、実際の世界ではシンプルだけでは通らないことも都度見かけます。
なので、物事をシンプルにするメリット・デメリットを交えながら、どうすればいいのかを考えていきます。
メリット
物事をシンプルにするメリットの方からあげていきます。
決断が早くなる
シンプルにするメリットから考えていきます。
一番のメリットとしては、決断が早くなるという点があげれます。
単純化すればするほど、選択肢は洗練されていきます。右か左かレベルにまで落とし込んでから選択するのと、どこに行こうかというレベルとでは選択の幅が違うのは自明の理です。
ビジネスの場であれば、一分一秒単位で選択を行う必要がある機会がありますが、シンプルに考えると答えが導きやすい傾向にあります。
論点整理しやすい
物事をシンプルにすると、考え方もシンプルになります。
『そもそもこの会話の論点は何か?問題はどこなのか?』『商談のキーパーソンは誰か?』
論点が複雑になりやすい問題でも、常にシンプルにを頭に入れておくと、商談や会議の時間の短縮にも繋がります。
選択する手間を省ける
現代人は起きてから寝るまで無数の選択をしますが、選択疲れを起こす生き物です。
選択肢がありすぎると、かえって選べないという研究結果(『選択の科学』シーナ・アイエンガー教授のジャムの実験)も出ています。
人間は選択肢が多くなりすぎると、選択疲れを起こして、精神的に疲労してしまいます。
選択疲労を起こすと、意志力が低下し、買わなくて良い物を購入したりしてしまったりもします。
前もって選択肢を絞ってシンプルにしておけば、選択疲れを起こさずに済みます。
デメリット
では、逆にデメリットとしてはどういったことがあるでしょうか?
迂回手段を考えなくなる
「Aという物事はBなんだから、仕方ない」
単純化し過ぎると、AだからB、BだからCと物事を考えやすくなります。
AであってもZという手段が取れて、物事を上手く回せてCという結果を導き出せるかもしれません。複雑系の事象ですが、こういうシーンはビジネスではいくらでもあります。プライベートでも頻繁に出くわします。
物事をシンプルに考えすぎると、選択肢が縮まるという点も考慮に入れる必要があります。
選択に固執しやすくなる
選択肢を絞った結果、エラーばかりの選択肢ばかりになる可能性も高くなります。
選択した結果、エラーはエラーと柔軟に対応できればいいですが、中々柔軟に対応できないのが人間です。まして、論理的にバッサリ切った後の厳選された選択肢から選んでいる場合はナオサラです。
考え直せる余地は、十分にとっておく必要があります。
決めつけが多くなる
迂回手段とカブルのですが、決めつけが多くなります。
「AだからB」とシンプルにすると導きやすくなりますが、思考過程の短縮を引き起こしやすいです。
良い面と悪い面があるのですが、単純化傾向の方は悪い面が出やすくなります。
私もそうなのですが、時間を置くというのが苦手で短絡傾向になりやすいためです。
この辺は最近特に気をつけたいと考えています。
単純化しすぎるのもよくない
相対性理論のアインシュタインが「何事もできるだけ単純な方がいい。ただし、単純にしすぎてはならない」と言っているように、最近単純化しすぎるのも良くないなと考えだしました。
デメリットの迂回手段を考えない・思考過程の短縮は、自分にまんま当てはまっています。
『最適解の1つ』とかブログでも頻繁に使用していますが、別の人から見たら『最悪手の1つ』かもしれません。〈ブログ内では、自分の立ち位置を明確にするという点からの発言もあります〉
ただ、現実世界ではもう少し柔軟な対応を心がけて、シンプルにし過ぎない対応をしていきます。
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