2015/10/04

日本破綻論者から学ぶ 3つのポイントと1つの対処法

「日本は近い将来に破綻しますか?」 本質問に対して1つの解を本書は提示しています。 ・日本の行く末がどうなっていくのか。 ・もし日本が近い将来破綻するなら、どうやって対処するべきか。

そういった考えに沿って作成された本が、藤巻健史著『迫り来る日本経済の崩壊』です。 賛否両論ある著者ですが、言いたい事は昔から首尾一貫してるので、私は好感もてます。

外貨資産を増やしているのも、藤巻氏の意見が一理はあると感じている部分もあります。 3つのポイントと1つの対処法として本著をまとめてみました。 ご興味がありましたら、続きをお読み下さい。

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藤巻健史氏の経歴

本の紹介をする前に、どうしても外せないと思った藤巻健史氏の経歴を紹介しておきます。

藤巻 健史(ふじまき たけし、1950年6月3日 – )は、日本の債券・為替・株式トレーダー、経済評論家、政治家。モルガン銀行東京支店長などを経て、日本維新の会所属の参議院議員(1期)。 「伝説のトレーダー」の異名を、モルガンの会長から付けられた。 異母弟(父が後妻との間にもうけた子)で元参議院議員(結いの党所属)の藤巻幸大(2014年3月に死去)

  • 2009年2月23日の『週刊朝日』で「日本経済は1年で破綻する」「ハイパーインフレがやってくる」という見解を示していた。2013年内にも日本の財政が破綻する可能性があるとの見方を示していた。 それは日本社会のリセットであり、その時こそ「真の資本主義国家を作り上げなければ日本の未来は暗い」と説いた。〈WIKIpedia出典〉

何故引用までして藤巻氏の経歴を紹介したか。2点あります。

1点は、藤巻氏は2009年時点で「日本経済は1年で破綻する」「ハイパーインフレ」が来ると言い続けてらっしゃいます。 こういう態度が童話『オオカミ少年』的に映るんでしょうか。

まだ来てないから、言ってることが間違っていると指摘される方が多々いらっしゃいます。 ただ、モルガンの稼ぎ頭・投資家ジョージソロスのアドバイザー等もやってたみたいです。そういった経験を持った人が語っていることです。儲かったのかは別ですが・・・ 私が感じていることは後述します。

2点目は、異母弟に藤巻幸大さんがいらっしゃいました。私は、このお二人が親類というのは知らなかったです。 メディアの露出が高かった方なので、みなさんもご記憶があると思います。

伊勢丹のカリスマバイヤーで福助代表取締役社長や後年は参議院議員をされた方です。今年54歳という若さで逝去されておられます。 類は友を呼ぶではないですが、こういうアッパー層達の言い分は一通り聞いてても損はないと思ってます。

ポイント1:長期金利が上昇すれば、全てが終しまい

・長期金利の動向が、日本経済の命運を握る。その認識を持つことが、資産を守る第一歩です。長期金利が国を揺るがす可能性があるのは、国の借金が1,025兆円(2014年3月末)と巨額になってしまったからです。

P13

・1,025兆円の借金が大変なのは、金利が上昇すると支払い金利額が急造して、財政(資金繰り)が耐えられなくなるからです。

P.15

これは昔から言われている議論です。 1,025兆円の1%は、10.25兆円です。今でも国債の利払い・満期償還で青色吐息な日本国ですが、果たして長期金利が上がってきた際にもつのかと言われるとかなり疑問符です。

長期金利が上がる頃には、景気も上がって税収も上がるのでしょうが、これに対しても藤巻氏は税収増よりも利払い増の方が大きくなるとおっしゃってます。

日本は現在プライマリーバランス(基礎的財政収支)をゼロにするのを頑張っていますが、こちらもやるやる詐欺みたいにズルズルと引き延ばしています。

プライマリーバランスをゼロにできないという事は、借金(国債)依存は続きます。その結果、1,025兆円では止まりません。

ポイント2:日銀に量的金融緩和の出口戦略がない

「日銀が民間から国債を買ってお金をジャブジャブにしているわけだから、出口戦略としてはその逆で、日銀が保有している国債を民間に売ればいいじゃないか」とお考えになるかもしれません。しかし、それは不可能なのです。 国債の価格と利回りは、コインの裏表の関係です。

「金利上昇=債券価格の下落」「金利低下=債券価格の上昇」なのです。 すなわち日銀が「インフレが加速してきたから、金融引き締めによって金利を引き上げようとする」とすると、「国債の値段は下がってしまう」ということです。そんな国債を誰が買いますか?買っても損をするだけなのですから。

P.120

これは本著からの抜粋なのですが、今年3/31に参議院決算委員会に日銀の黒田総裁を参考人として呼んだ際に、藤巻氏が国債の出口戦略を質問したそうです。黒田総裁の回答は「時期尚早だ」という回答だったそうです。

1国の日本銀行の総裁がその答えでいいのかどうかはさておき、この問答だけを見ていると出口戦略はないと考えた方がいいのかもしれません。

ポイント3:2014年4月末の日銀のバランスシート

資産規模は246兆円、2011年末は143兆円ですから2年数ヶ月で2倍弱、1993年末は50兆円ですから20年間で5倍にも膨れ上がっています。 バランスシートの巨額化は、量的緩和のために国債を買いまくったからです。

国債の保有高は204兆円ですが、2011年末には90.2兆円。2年数ヶ月で2.3倍。1993年には31.3兆円ですから、20年間では6.5倍にもなっているのです。 国債を大量に購入した結果、国債の資産に占める割合は83%にまで跳ね上がっているのです。1991年には、48.7%にすぎませんでした。

P157

日銀のBS(バランスシート)がここまで痛んでいたのは、本著で初めて知りました。

日銀の大規模金融緩和で国債を買い入れして銀行券をバラまく構図は頭では理解できていたのですが、数字として見せられると頭が痛い問題です。

素人目でしか見れないのがつらいのですが、83%はやりすぎなんじゃないでしょうか。財政ファイナンスと見られる1つの要因にはなりそうです。

財政ファイナンス…政府が発行した国債に対して、日銀が日本銀行券を発行して政府に融通する手段

対処法 資産を防衛するには世界最強の米ドルがいい

財政破綻に備えることの第1は、「円資産を外貨建て資産に切り替えて、リスクを回避せよ」というものです。 今外貨をお勧めしている理由は「日本が財政破綻をしたときの備え」であって、「一種の保険」をお勧めしているのです。

〈中略〉 勿論分散も重要ですから米ドルを中心に、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、スイス、英国などの先進国通貨への投資がいいでしょう。

P.200,201

著者は1つの対処法として外貨を持ちなさいと勧めています。また、米国株も推奨しておられます。

この意見を目にして小額ずつでも外貨積立てした方がいいのかなと思い、現在進行中です。確かに1種の保険ですが、無いよりあった方がいいかなとは判断しています。

 番外:個人的な藤巻氏への考え

色々と藤巻氏賞賛みたいな書評を書いてきましたが、個人的には少し財政破綻へ前のめり感が強いなと感じています。 データ的には申し分のないものをつけてらっしゃいますが、前提に財政破綻を置き過ぎています。

10年以上自説(財政破綻説)を述べられてきておられますが、いまだ財政破綻しておりません! アベノミクスが本当にうまくいって、財政黒字になり「不死鳥のように蘇る日本」を夢みたいのは私だけでしょうか。

こういった本は鵜呑みにすると大変ですので、読まれる方は注意下さい。 ただ、知らないより知っておいた方がいい話満載です。 自分への反省ですが、経済・財政分野の勉強不足感を意識させられた本書でした。

 

著者:たろ

Twitterアカウント(@tarohibi) 妻・娘と仲良く暮らしている30代中盤のイクメンサラリーマン。投資・子育て・書評を中心に書いています。 10年で投資資産1000万・書評年48冊・家計のスリム化を目標に奮闘中…プロフィール詳細はこちら

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