2016/08/13

現代の経営戦略を一から学ぶのに適した一冊『マンガ 経営戦略全史革新編』

マンガ経営戦略全史 革新篇

ジェフ・ペゾス、エリック・シュミット、ラリーペイジ。

一人目がAmazon創業者。二人目・三人目はGoogle(組織名アルファベット)の元CEO達です。

失われた20年を漂っていた日本企業を尻目に、最近の10年で2社は凄まじい成長を遂げました。

両サービスは、日本でも有名過ぎてパソコンを使用する世代であれば、ほぼ100%使ったことがあるサービスではないでしょうか?

両社共『スピード』を売りにした経営手法で成り上がってきました。

今回ご紹介する一冊『マンガ 経営戦略全史革新編 三谷宏治著』では、前者を「巨大なITと物流投資で築いた※1ケイパビリティ」によって、後者を「A/Bテストによる超思考錯誤経営」という経営手法を紹介し、『スピード』経営戦略を紹介しています。

そんな経営戦略本から、私が気になった経営戦略5選をご紹介します。

※1:企業成長の原動力となる組織的能力や強みのことを指し、経営戦略を構成する上で重要な概念

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私が気になった経営戦略5選

ブルーオーシャン戦略 チャン・キム、レネ・モボルニュ

ブルーオーシャン

お互いの血で染まった「レッドオーシャン」ではなく、新しい価値とコストをもとにした競争のない「ブルーオーシャン」を創り出そうととくコンセプト

P.46

今では知らない者はいないくらい有名な『ブルーオーシャン戦略』ですが、これが出る前はポーターの「戦略とは、高付加価値か低コスト追求かのどちらか」という考えが大半を占めていました。

「高付加価値か低コスト追求どちらも=バリューイノベーション」を追求した戦略として、

発表当時からもてはやされたみたいですが、当時それだけ革新的な経営戦略でした。

最近では、任天堂の3DSが大ヒットを飛ばしたのが記憶に新しいですが、あれもブルーオーシャン戦略の戦略ツールを踏まえて開発した一品です。

巨大なITと物流投資で築いたケイパビリティ ジェフ・ペゾス

物流センター

アマゾンの実店舗の数倍・数十倍の「品揃え」と明確な「お奨め」、そして「クイック・デリバリー」は、全米3億人の消費者を惹きつけました。ペゾスはそれを巨大なITと物流投資によってケイパビリティとして実現したのです。

P.56

Amazonと言えば、50代迄のパソコンを使った方なら、誰でも知っているオンラインストアです。(それ以降の年代も大半知っていますよね?)

ここのCEO(社長)ジェフ・ペゾス氏は、スピードの人です。

とにかく即断即決。ニューヨークからシアトルまで車で走って、家を買って当日には高性能パソコン3台買って事業を始める始末。

Amazonを始めるわけですが、Amazonは他のIT会社と違って地に足をつけながらの地上戦を好む企業でした。

IT企業の設備投資と言えば、主にサーバインフラ系の充実です。顧客が、スムーズにデータにアクセスできるようにするのが主目的になります。

Amazonは、同時に物流インフラの拡充を行います。物流センターの立ち上げです。

それが後の当日・翌日配送の「クイック・デリバリー」=Amazon一強を支える訳です。

前述した『ブルーオーシャン戦略』にも通ずるものがあり、巨額物流投資によって参入障壁を築き、超巨大ブルーオーシャン市場を創出しました。

株式投資するなら、こういう企業を底値付近で拾いたいですね。

リバースイノベーション ビジャイ・ゴビンダラジャン

リバースイノベーションとは、BOP層40億人を、支援の対象ではなく市場としてみて、「グローバル化」と「イノベーション」とを意外な形で組み合わせ手法です。

※BOP層とは、年間世帯所得3000ドル以下の層のこと

P.104

リバースイノベーションとは、要約すると後進国市場で発生したイノベーション商品を先進国に逆流する手法です。

今までは、先進諸国で開発・販売していた商品を途上国へ輸出する形を取っていましたが、これからは途上国で発達したイノベーション商品を先進国へ逆輸入する。

まさしくリバース(逆輸入)イノベーションです。

マイクロクレジット ムハマド・ユヌス

農村の貧困層を支援するための仕組みをさまざま試した末、「借りての返済能力」を、担保ではなく「仲間からの信頼」でハカることで実現しました。

P.138

ムハマド・ユヌスが立ち上げた、グラミン銀行から始まったマイクロクレジット。

銀行の貸付金額が100万単位と比べて、マイクロクレジットは1,000円~5,000円程度と貧困層でも手軽に借りられるという手法を使い、急成長しました。

最近では、高利貸しと変わらない悪徳業者もいるみたいですが、基本概念は適正金利(低金利では決してない)で小口融資です。

借りたくても借りられなかった貧困経営層にとって、一筋の光となったのは言うまでもないでしょう。

超思考錯誤経営

A/Bテストとは、AとBのやり方を、両方試しにやってみて、よかった方を採用する、という方法です。

インターネット上では、低コストで手軽に素早く行えます。〈中略〉

2011年、グーグルはこういったA/Bテストを7000回、行ったといいます。

P.164

1年間でA/Bテストを7000回です。

どういったテストをグーグルが実施したかは分かりかねますが、1年間で7,000回失敗できていると言えます。

今では有名になったA/Bテストですが、出始めの時にヒタスラA/Bテストを実施したグーグル。時代は、試行錯誤経営が最前線です。

まとめ

ケイパビリティ?A/Bテスト?って何?ってレベルの経営戦略初心者にも、手取り足取りマンガで優しく説明してくる1冊です。

マンガとしても経営戦略という観点からも、読みごたえがありました。対象としては、こういった経営戦略を実践・勉強したことがないサラリーマン向けな仕上がりです。

こういったテーマを初見で文字しか無い本で読むと眠たくなりますが、マンガなので眠くなることもありませんでした。

ただし、経営戦略の入門書なのでおおまかな体系を勉強するにには適していますが、細部を学習していくなら専門書を買い求めましょう。

 

著者:たろ

Twitterアカウント(@tarohibi) 妻・娘と仲良く暮らしている30代中盤のイクメンサラリーマン。投資・子育て・書評を中心に書いています。 10年で投資資産1000万・書評年48冊・家計のスリム化を目標に奮闘中…プロフィール詳細はこちら

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