2015/10/01

地方のコンパクトシティ構想と日本衰退について、ローマ帝国から考えてみた

コロッセオ

私はNHKが大好きな人間です。 視聴料は高いなぁと思うのですが、お金かかっているだけあっていい番組を制作します。 『ミラクルボディ』『NHKスペシャル』『ホットスポット最後の楽園』『大河ドラマ』等々。

最近では、御嶽山の緊急放送とか緊急性の高いニュースはありがたいですね。 そういった番組を制作しているNHKですが、先週の土曜日に『NHKスペシャル 東日本大震災「私たちの町が生まれた~集団移転・3年半の記録」』という特集をやっていました。

番組を見て感じた、コンパクトシティ構想と日本衰退についてローマ帝国から考えてみました。

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番組内容

集団移転のトップを切って、宮城県岩沼市で仮設住宅からの引っ越しが始まった。 新しい町について、3年間で120回の徹底的な話し合いを行った住民たちと自治体の奮闘を描くという内容の1時間番組です。

紆余曲折しながら津波で壊滅した沿岸部から3キロ内陸に入った農地を造成し、人口千人の新しい町が誕生する迄を描いています。 この自治体の面白い所は、初めから行政の介入をさせずに、住む住民の意思を3年間120回という話し合いでまとめてから、住民が行政と折衝するという試みです。

3年120回というのは中々できるものではありません。 主義主張がバラバラな人達が議論するわけです。この話し合いの中で住民コミュニティの結束を計り、コミュニティ単位で移住移転をするという話になります。

 本当にそれしか方法はないの?

たしかに宮城県岩沼市の試みは、1つの最適解だと思います。 行政から強制的に移住させられるよりは、住民の心持ちも違いますしその後の発展も違うと感じます。 ただ、こういった一連のコンパクトシティ構想。〈政府もこの方針を打ち出して、東日本中心の過疎地に推し進めています〉

集団移転をし医療・学校・役所・社会インフラ等をまとめてしまうのには少し疑問を感じます。 確かに、地方は少子高齢化に過疎が広がっています。

このままでは遅かれ早かれ夕張市のような財政破綻都市が出てくるでしょう。ですが、全てをコンパクト化してもいいのでしょうか。

 何故ローマ帝国?

大好きな本で塩野七生さん著『ローマ人の物語』という書籍があります。文庫版で43冊という長さの本ですが、そこ迄長く感じない良書です。

内容は、ローマ人の発生から隆盛そして衰退消滅迄を現場の史跡に当たりながら、まとめています。 ローマ帝国といえば、最盛期は今のヨーロッパからエジプト果ては南アフリカ迄の領土を保有していました。

途中隆盛前に滅亡しかけたりするのですが、最盛期前迄は幾多の困難を跳ねのけて、何事もなかったように前よりも強靭な国家になっていきます。 近隣諸国にとっては嫌な国だったでしょうね。

最盛期(五賢帝時代と呼ばれてます)を過ぎて、衰退期に入るとこのメカニズムが逆転します。 何をやってもどんなに優れた人物が改革を行っても、ローマ帝国は衰退へ向かっていきます。

人類史上最大領土を保持した国家も衰退を免れません。 平家物語ではないですが、『盛者必衰の理』は昔からずっと続いてきています。 ローマ帝国は衰退期には、周辺の蛮族に悩まされます。 最盛期を過ぎてかなりの期間は、蛮族の侵入を跳ね除けていましたが徐々に国力が衰え侵入が常態化します。

最後は為す術もなく衰退していくのですが、その際に採用した政策がコンパクトシティ構想です。 日本のような開かれたコンパクトシティではなく、防衛をメインにしたコンパクトシティ化です。 それまでのローマ帝国はそういった概念はなく、全てオープンに都市間が繋がっていました。

オープンに繋がっていたのが繁栄の基盤でした。ですが、そういった理屈が通じなくなります。 蛮族の防衛には国防軍は役に立たなくなっており、自分たちの身は自分で守る必要が出てきていました。そのためのコンパクトシティです。都市内で全ての事が完結する。 今のヨーロッパの各都市の原型になったそうです。 ムラ

 日本との関連性

日本では外敵が今の所心配する必要はありません。〈仮想敵国はあるかもしれませんが〉 ただ、日本は1990年代前半のバブルが最盛期と仮定すると、衰退期へと向かっているように感じます。〈第2の成長があるかもしれません〉

こういった時にコンパクトシティ化してしまうと、都市の孤立化がおきないか心配です。 また、今すぐにではないですが、人口減少に伴って治安力が低下してきます。

今では冗談に聞こえるかもしれませんが、防犯面でも都市外では危険が増大していきそうです。 コンパクトシティ化すると、国としては社会インフラ設備等コントロールしやすくなります。

ただ将来を見据えて本当にコンパクトにせざるを得ないのか、将来的にはコミュニティ単位で統治・自治権を与えて、自分の身は自分で守れとでも言うのでしょうか。

まとめ

私は日本が好きです。右翼ではないですが、この安全で快適で自然が多い日本が好きです。 日本がポシャっても日本人でいると思います。

今更米国人・マレーシア人ですとか言うのも個人的には違和感があります。 ただそういった状況になった時に、他国籍になるのは真っ当な考え方の持ち主ならそうすると思います。私は根が天の邪鬼のために変なんでしょう。

ただ今に始まった事ではないですが、最近の日本の政治財政全般やり方を見ていると、心配になります。 コンパクトシティ化も一時のブームで行ってないでしょうか。こういった施策は、10年単位で考える必要があると考えてます。

そんな事を言っても過疎地域の現場は急いでいるんだ!と言われれば仕方ないかもしれません。ただ考える事を辞めれば、進めなくなります。 ローマ帝国が最盛期から東西分裂迄、200年かかりました。 願わくば、我が国日本もゆるやかな衰退を願っています。

おしまい

著者:たろ

Twitterアカウント(@tarohibi) 妻・娘と仲良く暮らしている30代中盤のイクメンサラリーマン。投資・子育て・書評を中心に書いています。 10年で投資資産1000万・書評年48冊・家計のスリム化を目標に奮闘中…プロフィール詳細はこちら

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