2015/11/06

何故アイツだけ勝ち続けれるのか?を突き詰めてみた作品紹介します

みなさん「何故アイツだけ勝ち続けられるのか?」って思ったことないですか?出世・株・為替・スポーツ何でもいいです。ありますよね?

本書『どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか? 梅田望夫著』は、将棋会という一握りの天才達の中で類まれな戦績を残されている羽生善治さんにスポットを当てた一冊です。将棋会のイチローですね。

将棋ファンでない一般の方でも、読み易い一冊となってます。(棋譜等出てきますので、駒の動きは分かるレベルの方がいいかもしれません) 羽生善治さん(以下敬称略)の強さとは何なのか?に迫った1冊です。

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どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?

羽生善治略歴

1996年2月14日、将棋界で初の7タイトル独占を達成。 2012年7月5日、棋界の金字塔と目されていた大山康晴の通算タイトル獲得期数80期の従来記録を抜き、歴代単独1位となった。全7タイトルのうち竜王を除く6つでの永世称号(永世名人(十九世名人)・永世王位・名誉王座・永世棋王・永世棋聖・永世王将)の資格の保持(いわゆる「永世六冠」)に加え、名誉NHK杯選手権者の称号を含めた7つの永世称号の保持は史上初である。

通算優勝回数142回、通算公式戦優勝回数132回、通算タイトル獲得90期、タイトル戦通算登場回数119回、同一タイトル戦連続登場回数23回(王座)、同一タイトル獲得通算22期(王座)は歴代1位の記録である。また、通算非タイトル戦優勝回数52回・通算非公式戦優勝回数10回も歴代1位である。

一般棋戦優勝回数42回は大山(44回)に次いで歴代2位である。詳細は主な成績を参照。 1つ以上のタイトルを23年に渡って維持しており、さらに1992年に王座・竜王を獲得して以降、一冠までに追い込まれたのは2004年のわずか89日間(王座)のみである。

その前後も年度複数冠は達成しているため、年度複数冠継続の記録は2014年現在も更新中である。 羽生とほぼ同じ年齢にトップクラスの実力者が集中しており、彼らは「羽生世代」と呼ばれる。 勝負の世界でも天才達が集う将棋会。その中で1つ以上のタイトルを23年間維持

WIKI参照

目を引くのは最後の文章。「勝負の世界でも天才達が集う将棋会。その中で1つ以上のタイトルを23年間維持」です。普通23年間も長期維持できる世界ではありません。その中で23年という長期タイトル保持。

ここまでの強さだから、将棋会以外の一般人に対しても[羽生善治の強さ]が分かります。じゃあ何故そんなに強いんだ?という話になりますよね?私もそれが知りたくてタイトル買いをしてしまいました。

本書内容

「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」

P.7

始めの1行目にこれを持ってくる度胸が凄いです。本を読んでいて冒頭っていうのは無難な出だしが多いのですが、挑発的なこの出だしです。

作者(梅田望夫さん)は十二分に将棋会の事を知っておられて、他にも『シリコンバレーから将棋を観る』といった斬新なタイトルで書籍を出されてます。十二分に知っている方から見ると、他にも強い棋士(谷川浩司、佐藤康光、森内俊之等多数)がいるのが分かっている。

分かっているのだけど、一般の人はそういった見方をしていないのも分かってらっしゃる。

綺羅星のごとくプロ棋士たちがひしめき合う現代将棋の世界で、羽生善治だけがただ一人、圧倒的な実績を残しているのも事実である。だから人々は「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」と問うのだ。詳しいことなど知らないほうが、かえって本質を射抜くこともある。

P.9

作者は、この問題を難問中の難問と答えている。

本書は、羽生対5人のトッププロの対戦記を元に各プロに「羽生善治の強さ」を問うた一冊です。

各プロ独特な言い回しで羽生を形容していますが、一番興味を引いた箇所をご紹介します。

(羽生が)「おっ」と声を上げた。突然の(相手:山崎隆之 超一流の棋士です)投了に心から驚いている様子だ。そしてすぐ山崎に向かって、この将棋は難解なまままだ続くはずであったろう、そして自分のほうの形勢が少し悪かったという意味のことを、かなり強い口調で指摘した。山崎もすぐさま言葉を返したが、羽生の口調と表情は厳しいままだった。

P.119

羽生が勝利した場面なのですが、『勝って不満』を表している状況です。前後の文脈は抜けているので、分かりづらいのですが相手の投了を少し不満に感じていたみたいです。

あらゆる棋士が一勝を欲しいのに、自分が勝ったのに不満という異次元の考え方。山崎側にも言い分があって、持ち時間もない長将棋をできないという理由もあったので「むかつきますよ、勝ってんのに」と後述されてます。

この言い分にうわ・・感情むき出しで生々しいな面白いなと思いました。相手もむかつくような行為(勝って不満)を表して、勝ち負けではなくその先まで見つめている羽生という棋士に恐ろしさを感じました。こういった生々しい感情を引き出せる作者も凄いなと感心しました。

たろ的雑感

読み物としては面白い。断然おすすめできるレベルにはある。ただ、万人受けしなさそう。

これが本書に対する思いです。

将棋ってコアなんですよね。アクが強いというか前述しましたが、駒の動かし方も分からない方が読んだら厳しいと思います。将棋が出来るレベル以上の人向けに書かれている本です。

後、結末は書きませんが、本書のタイトルをある部分回答していてある部分は回答できてないという矛盾を内包しています。それが面白いという部分でもあるのですが、白黒つけたい派の人には「何だかなぁ」となっちゃうかもしれません。

その辺飲み込める方向けかなぁと思ったり、骨がある本です。私は面白かったです。

おしまい

 

著者:たろ

Twitterアカウント(@tarohibi) 妻・娘と仲良く暮らしている30代中盤のイクメンサラリーマン。投資・子育て・書評を中心に書いています。 10年で投資資産1000万・書評年48冊・家計のスリム化を目標に奮闘中…プロフィール詳細はこちら

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